8月5日(日)20時から白保公民館にて、「白保の海での実験研究とサンゴ採取に関する説明会」を開催しました。
八重山毎日新聞に取材いただき、この様子が8/7に掲載されました。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/20629/出典:八重山毎日新聞2012年8月7日掲載
説明会では初めに、東京工業大学の渡邉 敦助教から、
サンゴ礁学CO2班で開発しつつあるモデルの紹介を行った後、様々な環境ストレスの定量的評価・予測やそれらのもとでのサンゴ礁生態系応答に関する数値シミュレーションモデル体系の構成の説明やシミュレーション例も紹介しました。モデル開発のための基礎データ(サンゴ代謝など)を現地の環境下で取得することを目的として白保の海でチャンバー実験を行っていること、そして今回のチャンバー実験のデータ解析で必要となるサンゴの採取に関して、白保の皆さまにご説明しました。その後、東京工業大学の灘岡和夫教授からも補足説明がありました。
来場してくださった白保の方からは、どのような雨や風の時に赤土流出が多いのか、といった赤土に関する質問が多く寄せられ、赤土への関心の高さがうかがえました。また、今回チャンバー実験で対象としたサンゴは「ミドリイシ」のみでしたが、白保のサンゴ礁を代表する「アオサンゴ」を対象とした実験は実施しないのか、といった質問も寄せられました。
また、白保のサンゴ礁だけでなく他のサンゴ礁についても調べる必要があるのでは?、という質問もありました。灘岡教授から、他のサンゴ礁の研究ももちろん必要だが、白保周辺のサンゴ礁は、サンゴ礁学が始まるかなり前から様々な分野の研究者が数多くの調査研究を行ってきていて多くの蓄積がある日本のサンゴ礁フィールド研究のメッカと言えるサイトであり、しかも、よく発達した礁嶺と大規模なクチ(チャネル地形)を有する典型的な裾礁型サンゴ礁であることから、白保のサンゴ礁を対象とした研究は大変重要、との説明がありました。
一方で、海流などの海の流れによる幼生分散などによって、サンゴ礁は他のサンゴ礁とつながっていて、サンゴ礁生態系の変遷過程の理解や保全のあり方を考えていく上で、そのような「つながり」を意識することも大変重要になる、との説明もありました。
当日は台風11号が那覇に接近したため、茅根創領域代表と私の飛行機も欠航となり、残念ながら翌日6日に予定していたグラスボートでの調査地見学会は中止となりました。来場者からも残念だった・・という声もあったそうです。
本説明会開催にご協力いただいた、白保魚湧く海協議会事務局長の赤嶺さん、佐川さん、WWFの鈴木さん上村さんには改めてお礼申し上げます。
事務局 浪崎直子
posted by サンゴ礁学事務局 at 12:16
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