午前中は,茅根創領域代表から瀬底ビーチまで移動して,サンゴ礁地形を紹介した後,隆起して陸に上がった化石サンゴを観察しました.瀬底島はプレートテクトニクスによる地殻変動によって10万年で1mほど隆起していることを学び,そして氷河期・間氷河期の海面変動 によってできあがった段丘を高台から見学しました.さらに,一つの段の中でも,生息深度が深いサンゴ,低いサンゴという傾向まで読み取れました.
そして本部町で沖縄県水産課の事業で赤土流出防止対策を実施した圃場を見学した後,午後はサンゴ礁保全の先駆的な活動をされモデル地域としても有名な恩納村に出かけました.恩納村漁協の比嘉さんに恩納村でのサンゴ礁保全と地域づくりのお話を伺った後,サンゴ養殖水槽を見学させていただきました.その後,赤土対策を実施している畑を見学してまわりました.ちょうどこの時,大雨がふってしまいましたが,無事予定通り実施することができました.
夜は,「サンゴ礁学」若手の会が企画した,ディスカッション.今回は,「瀬底島を海洋保護区のモデルに設置する」という設定で,若手側からキーのステークホルダーとして,「研究者」「農業者」「海人」「政策決定者」を与えてさらに参加者側から「観光業者」が追加されました.その後,各立場のグループに分かれ各々の意見・要望・質問をまとめ,全体議論を行い,それを受けてもう一度グループ内で議論をし,みなが掲げる理想の中での矛盾・対立を整理していきました.最終的に政策決定者が各立場の意見を取り入れながら具体的なルールを5つほど提言したという流れになりました.
研究者の立場からの貢献が弱いというご指摘・立場を考えることが難しかったという意見が出ました.今迄の講義・実習での宿題を上手く取り入れること,研究者ならではのグローバルな視点が抜けていたこと,もう少し若手からサポートすることが出来たのでは,というのが反省点として挙げられました.
事務局 浪崎直子 「サンゴ礁学」若手の会 井上志保里